第29回BagYard勉強会 「バッグ&小物トレンドセミナー」レポ―ト

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2016年1月21日(木)、BagYard主催の「バッグ&小物トレンドセミナー」を、15時と18時からの2回にわたって、銀座 革のショールーム「TIME & EFFORT」にて開催いたしました。
CHIENOWA コミュニケーションの代表の川崎智枝さん、そしてオンラインライターの鈴木清之さんのお二人にパネリストとしてご登場いただきました。

お二人は、「BAG Number」というバッグや服飾雑貨に関するwebマガジンを運営しており、こちらにアップした情報なども含め、肌感覚でいまのマーケットから感じられる情報を噛み砕いてお話しいただきました。

「BAG Number」バッグナンバー http://bagnumber.tokyo/

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以下、セミナー内容を川崎智枝さんによりまとめていただきましたので、参考にして頂ければ幸いです。


【第一部】 「近年のマーケットに対する価値観の変化」

ここ数年間で、消費者のマーケット(ショップや商品、購買行動など)に対する価値観の変化
を改めて考えてみました。以下のような動きがあるのではないかと思います。

①ファッション重視 ⇒ エモーション(ココロ)重視
気持ちに訴える、アガる、「好き」「繋がり」「縁起もの」

◆ユーザーは、いまは「トレンド」や「ファッション性」といった外的な要因だけではなく、エモーショナル(ココロの動き)な内的要因によって、購買に繋げている。
◆自分の気持ちがアガるからとか、「縁起がいい」からなどの理由で購買している。モノの先にある“コト”にフォーカスしており、おのずと「気持ち重視」にシフト。

②トレンド重視   ⇒ 「定番」をカッコよく見せる。安心感。「メイドインジャパン」
SNSでの“いいね”評価を意識して購買する層も

◆いまは「トレンドアイテムがひとつに集約される」という売れ方はほとんどない。定番が人気を博し、来年廃れることのない安心感を得られるアイテムが人気。ささいなディテールのアレンジで今年らしさを楽しむ
◆SNSでの他者からの評価も気になる。特に若い人は、奇をてらわず、センスが良いと思われる“いいね”が付き易いものへと流れている。

③バッグメイン ⇒  財布、革小物、バッグ周りメイン
「Itバッグ」の不在

◆これが今年のトレンドだという「Itバッグ」が不在になって久しい。バッグそのものが主張するというよりも、その周りの“革小物”たちの存在感が大きくなってきた。
◆財布や小銭入れだけでなく、スマホケース、大きな鍵が入るキーケース、文具まわりといった、新しい切り口の革小物が人気を博している

④ファッションを楽しむ  ⇒ ライフスタイルを楽しむ。「食」×ファッション
参加型イベント(ハロウィン等)

◆ファッションは、ひとつの“趣味”の領域になったのだ、という人も。服やバッグなど外側の“見え方”だけにこだわるのではなく、“生き方”や“暮らし方(ライフスタイル)”にこだわる人が増えてきた。その中でも「食」の占める割合は高まっている。
◆ハロウィンの市場規模がバレンタインを抜いた。この辺りから“参加型イベント”が盛り上がっている。店内ワークショップなど、参加できるイベントに注目。

⑤モノを「買う」  ⇒ モノを「作る」、コトを「買う」
手作りな“気分”が楽しい。カスタムメイド、ライブ感

◆「買う」から「作る」へ。店頭でセミオーダーが可能なショップや、オンラインで自分だけの1本、1足などをアレンジできるようなサイトも増えた。

⑥所有する ⇒ シェアする、レンタル・中古品活用
参考例:zozoused、ラクサス

◆モノを所有することから、誰かとシェアする、借りる、中古品を買う、という購買行動も見逃せなくなってきた。特にアプリなどで簡単に「レンタル」できるサービスが拡大。
◆いまは定額で服、バッグ、ネクタイ、アクセサリーなど様々なアイテムがレンタルできる。ただ「愛着する」ことは購買しないと不可能。愛されるものづくりが重要である。

 

 

【第2部】 「下半期ベスト10から予測する、春夏バッグマーケット傾向」

 川崎智枝が予測した「2015年下半期ベスト10」を分析し、今年春夏のバッグ傾向を読み解きます。また豊富なタウンウォッチングのデータを通じ、マーケットで今期注目されるフォルムや素材、スタイリングなどを予測します。

2015年秋冬 下半期ランキング コメント
1位:リュック 震災後から続いているビッグヒット。レディスは2way、メンズはオンオフ兼用
2位:ミニショルダー 更にコンパクト化。「身軽がおしゃれ」
3位:巾着フォルム 3シーズン目なので今年はバケツにシフト
4位:なじませカラー コーディネイトに馴染むカラー(カーキ、グレー、ネイビー等)のヒット
5位:コンサバナイロン 革の値上げで異素材が浮上。キレイめデザインの増加
6位:口折れトート(M) ビジネスシーンでのトート使用率アップ
7位:フリンジ 春夏にはフリンジ→タッセルへ移行か
8位:ムートン、ハラコ調 可愛いらしいディテールで、フェミニンの流れが復活か?
9位:スマホケース 店頭の雑貨カテゴリーに不可欠
10位:ウール素材 去年ほどではない。素材ものが浮上すると夏はカゴに期待できそう

 

実際の写真はこちら。売れ筋の写真と、タウンウォッチングで観測した人物スナップです。

1位 リュック

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2位 ミニショルダー

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3位 巾着フォルム

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4位 なじませカラー

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5位 コンサバナイロン ※5位以下はタウンウォッチングの写真はありません

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6位 口折れトート M

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7位 フリンジ

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8位 ムートン、ハラコ調

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9位 スマホケース

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10位 ウール調

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【2016年春夏のバッグキーワード】

春夏に登場しそうなバッグ、ファッションアイテムでのキーワードをまとめました。

≪レディス≫

➀90年代調バナル(左)

90年代の「プラダ」のような、抜け感とカジュアル感がありながらキレイめにまとめられたスタイリングのリファイン。また久しぶりに「コンサバ」というキーワードが浮上。リボン使いやフリルなどフェミニンなディテールも注目。全体的には“きれい目”という言われ方をしていたが、もう少しリラックスした雰囲気に、「定番をハズして楽しむ」という流れが浮上。縦長のフォルム感、バケツ型、シンプルトートなどのベーシックタイプが中心的アイテム。

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②注目テーマの「アスレジャー」

アスレチック×レジャーの造語で、スポーツブランドやアスレチック系アイテムの機能性やユーティリティ性をタウンアイテムに転用した考え方。このジャンルはテクノロジーも入り込み、 多角化が進んでいる。スマホと連動させた「ウエアラブル機能」などにも注目が集まる。リュック は震災以来のヒットアイテムだが、機能性や汎用性などでもバリエーションが拡大している。軽量ナイロンスポーティ、ウエストバッグといったキーワードも浮上。

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③クラフト調 

手仕事の味わいを感じさせる「クラフト調」のディテールが、70年代テイストも加わって注目される。刺繍、レース、ステッチ使い、マクラメ編みから、パッチワーク、ワッペンなどの手かがりディテールなどがバッグに転用される。どことなくほっこりするような、アナログな手触りが浮上。

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④キャラクター&アニマル 

※このコンテンツは版権があるので写真は少な目です

トレンド感とは遠いキーワードだが、最近では癒しや安らぎ、ワクワク感など、自分の「好き」を軸にした視点で商品を選ぶ人も少なくない。

「ネコノミクス」と呼ばれるほどに盛り上がる「ネコグッズ」や、ムーミン、リサラーソンなどのキャラクターモチーフ。アニメや漫画などの二次元とリアルな三次元を融合させた“2.5次元ファッション”。ルイヴィトンも今シーズンのモデルに「ファイナルファンタジー」のキャラクタを起用した。

またオタク的な趣味として、女性の鉄道ファン「鉄子」さんたちを虜にするような、レトロな「車掌さんバッグ」なども復刻。

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≪メンズ≫

➀ホワイトスポーティ 

メンズでもファッションに「白」の流れが入り込み、白、グレー系をベースにしたスタイリングが浮上。それにあわせて白のバッグも支持されている。部分的にテープ使いや色コンビのトリミングが使われる。女性にも持たれそうなアイテム。

②新ウエストバッグ 

ボディバッグの次のアイテムが待たれるが、前回申し上げた「サコッシュ」と、この「新ウエストバッグ」が注目されるところ。いずれにせよ「メンズも小さめ」がポイントに。

縦長の従来の大きさは、昔のipadサイズではあったが、最近では大きくなったスマホ画面で十分。バッグもそれほど大きなものは収納しない傾向になった。なので薄マチ、斜め掛け(背中の上のほうに持つ)、カラフルという流れが継続。

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≪革小物、雑貨≫

➀お財布ポシェット 

革小物の概念が変わってきている。従来の財布、キーケース、パスケースなどの定番ラインナップだけでなく、スマホケース×カード入れ、キーケース×小銭入れなど、いろいろに組み合わせるようになった。

お財布ポシェットも手紐を付属させてショルダーにできるようにした。ところ、大ヒットに。革小物の単価アップは受け入れ易いので、力を入れるポイントになりそう。

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②スマホケース 

スマホが大型化することで、手から滑り落ちることも増えておりカバーをつけることは不可欠に。特に手帳型のニーズが高まり、その中に磁気式乗降カードを収納する人も多い。ベーシックなデザインだけでなく、遊び心のあるピストル型や、クオリティの高い栃木レザー使いなど、自分らしさを表現するアイテムになった。

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③トラベルポーチ 

以外と売り場の穴になっているポーチ類。特にアクセサリーを収納したり、下着をしまえるトラベルポーチが注目。ボックス型から薄マチなど、レディスだけでなくメンズ向けも少ないのでねらい目。

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④文具まわり 

「キングジム」が初めて文具を発表。ノートに磁石で付属させられる新しいペンケースを開発した。まだまだ文具まわりにはイノベーションが隠されている。

 

【2016春夏シーズン傾向のまとめ】

1)「キモチ軸」へとシフト

「自分が楽しい」「気持ちよさ」などには投資する

2)「ノームコア」の継続と進化。ちょいフェミ

服は全体的にはベーシックをセレクト。バッグはそのバランスを取るアイテムに

3)バッグだけでなく、小物までのトータルな物語

バッグのみの展開は難しい。スキマを狙った革小物を上手に絡める

4)メンズは「定番」をカッコよく今っぽく

素材×機能性の訴求が響く。ブランド素材はWネームなどで積極的に

5)2017年の増税に向けた準備?

年末~来春に向けて駆け込み需要発生。富裕層向けの単価の良いものを集める

以上

 

川崎さん考察で今シーズンは、大きなトレンドは期待できないそうです。ですが、「自分たちが本来強みである部分を強化し、それに「楽しさ」や「新しさ」を加えること、そして「革小物バリエ」を増やすことを心掛けたい。」とのことです。そして最後に「みなさまのビジネスのヒントになりましたら嬉しいです。」とお話しを締めくくってくださいました。

 

 

 

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