第26回勉強会「ミシン・革漉き機の基本構造とメンテナンス」レポート

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IMG_41542015年10月24日(土)に第26回勉強会「ミシン・革漉き機の基本構造とメンテナンス」が行われました。
今回は、碑文谷にある金田工房さんに会場をお借りし、講師に『丸昭ミシン商会』の伊藤さんにおいでいただき「ミシンと革漉き機」の構造についてお話をしていただきました。

 

admin-ajax-3午前の部は10時40分~12時40分まで、午後の部は13:40分~15時40分と1日で2回開催し、計8名の方に参加していただきました。参加者は、初心者から趣味でバックを作っている方や、作家として活動している職人さん、鞄メーカーの職人さんと幅広い方々でしたが、講師の伊藤さんがとても話し上手な方なので、終始雰囲気も良く質問も多く寄せられていました。

まずは「ミシンの基本構造について」
針の付け方、下糸の巻き方、糸の通し方など基礎の部分からお話しいただきました。

ー上下おくりミシンの調整のポイントー

◎肝心なのが下糸の巻きの強さ!
細い糸番手はゆるく、太番手はきつく巻くというのが基本ですが、    IMG_4165
下糸の巻きの強さが基準となり、上糸の強さなどが決まっていくとの事です。

◎大抵の縫製の場合、下糸より上糸のほうが太いことが多い為、上糸の調節をきつめにしておく必要がある。


◎「押え足」と「送り足」の圧力は、必要
最小限の強さからスタートし微調整をしていく。

上の「押え足」と下の「送り足」とも調節ネジで圧力を調整していきますが、縫う素材や厚み、硬さなどによって細かな調整が必要なため、まず始めは最小限の圧力から始めると時間が短縮できます。

今回の講習会の場所を提供していただいた金田さんの工房には、講義に使われた上下おくりの平ミシンと珍しい水平カマの上下おくりミシン、アドラー製の中圧用の総合おくりの腕ミシンがありました。

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現在、関東では上下送りのミシンが多く使われており、関西では総合おくりミシンが多く使われています。
(ちなみにヨーロッパでも基本的には総合おくりが使われています。)
総合おくりミシンの場合は、針と一緒に「押え」や「送り」も同時に動くため、押え金がそれほど重要ではありませんが、上下おくりの場合は、素材の種類や厚み、縫う箇所によって押え金を変えることが多い為、いろいろな既製品が販売されています。また、メーカーさんや職人さんは縫いやすいようにカスタマイズした押え金を特注したり、自ら製作しています。微調整がきくということもあり、腕の良い職人は上下送りを使っかっているとか )^o^(

 

ー革漉き機のメンテナンスについてー

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◎革のへり(コバ)の部分を漉くための機械ですので、平漉きが出来る幅は50mmが限度です。
それ以上漉く場合は数回ずらしながら漉いてください。

ミシンイラスト革漉き機を使用する前には必ず給油をする。その後は、調子を見ながら給油してください。
左図の赤丸印部分にはミシン油を差し、1ヶ月に1度ぐらいの頻度で、黒丸印部分にグリスとミシン油を混合したものを差して下さい。

革漉き機の場合は丸刃の研ぎ方が重要。
調整棒を徐々に回すことで丸刃にグラインダーが接触し、刃先が研げます。
あまり強く当てると熱を持ち、丸刃のブレの原因なりますので注意してください。
研磨すると、必ず丸刃の内側に「かえり」(バリ)が出来ますので、回転を止めて棒砥石で優しく丸刃の内側をコリコリと擦り「かえり」をきれいに取り除いてください。

丸刃が両刃になってしまうとタル(下のゴム)を削ってしまうことがあるため、必ず片刃になっていることを確認すること。

今回、金田さんの使っている革漉き機が前日から調子が悪い状態でしたが、これはまさに「かえり」を取ることを忘れた上に両刃になっていたようです。そこで伊藤さんの研ぎの実演が始まり、伊藤さんの手際の良さに参加者も驚きを見せていました。そして、金田さんはメンテナンスしてもらって、もちろんニッコリ顔(^。^)/になっていました。

◎刃を研ぐ際には、研ぎたい部分までマジックで印を付けて削ると削りやすい。

◎厚い革を漉く際には、3度ぐらいで希望の厚みに調整していく。

その後は、個々の使用時の疑問点やその他の機器の調整などにも話題が広がり、技術的な知識を幅広くお持ちな伊藤さんと、写真のような革製ぬいぐるみ製作の第一人者である金田さんの職人としてのアドバイスなども加わり、実のある講習になりました。

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短い時間の中でミシンと革漉き機の基本構造・メンテナンスについて勉強会を行いましたが、その充実していた内容を文章で伝えることには限界があります。また、微妙なニュアンスや奥が深い分野だけに、興味のある方はやはり参加していただくのに限るかと思います。またこのような機会を持ちたいと考えていますので、こうご期待ください!

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