レポート:第42回勉強会「ミシン・革漉き機の基本構造とメンテナンス」

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Bagyard主催、第42回勉強会『ミシン・革漉き機の基本構造とメンテナンス』を、2017年6月24日(土)に代々木公園のカリテにて、午前の部(10時30分~12時30分)と、午後の部(14:00分~16時00分)で1日2回開催致しました。講師に『丸昭ミシン商会』の伊藤さんをお迎えし、「ミシンと革漉き機」の構造や調整方法について解説していただきました。

今回の参加者は、男性も女性も革漉き機や、ミシンを実際にお持ちの方が多く、使用頻度が高い方が多かった様で、気さくで話し上手な伊藤さんに、講習後お使いのミシンの調子が悪い部分などの相談をされたりする姿も多く見られました。

講習に使用した革漉き機はNIPPY製(NP202)で、スイッチを切らないと止まらない回りっぱなしのタイプですが、革漉きを専門で仕事にされている方以外は、やはりクラッチのタイプが自在に扱えるのでオススメとの事でした。ミシンはMITSUBISHI製(DY-330)の上下送りの平ミシンと、SEIKO製(TE-1)の腕ミシンを使用しました。

〜革漉き機について〜

革漉き機の基本的な各パーツについて、本体を起こしたり、動かしながらわかりやすく説明していました。刃や押さえの強さや角度などバランスの取り方、漉き方のコツ、刃の研ぎ方やオイルの入れ方などの手入れ方法など多くの事を教えていただきました。

やはり刃先が重要なので、刃先の長さの調整をする為にマジックでラインを引いてから砥いだり、刃の裏のバリを棒砥石で取る作業、砥石の黒ずみをドレッサーで取り除く作業などをじっくりと話されていました。

書ききれないほどの内容ですので、いくつかのポイントを箇条書きしておきます。

  • ヌメ革など極端に厚みのある革などは、1回で仕上げようとすると革が食い込んだりして失敗してしまうので3〜4回に分けて高さを調整しながら漉くと上手く仕上がるとの事(数量が多い場合などは、大漉きして厚みを整えてから漉く事が基本です)
  •  硬い革→刃先は短い方が良い
  •  薄い革→刃先は長い方が良い
  •  グラインダーに刃をあてない事 !
  •  刃と押さえの間は1mm程度が基本
  •  革漉き機の裏側の奥には、革クズやホコリがたまりやすいので、グラインダーを使用した時の火花で火事になる可能性もあるので、定期的に掃除をする! (ただし不用意に中に手を入れると刃で大ケガをするので注意が必要!)

『フロンテープの貼り方』 は午前部ではなかったと思いますので写真でお伝え致しておきます。
(ニトフロンテープ(日東テープ):フッ素樹脂フィルムを使用した絶縁粘着テープ。耐熱性に優れたシリコン系粘着材を塗布した、多くの特性を備えたテープ。)

オイルの差すポイントなども写真を撮りましたので参考にして下さい。NISIYAMA製だと多少違いがありますが基本的には同じ様なところがあるそうです。

革漉き機のお手入れに必要な道具
フロンテープの貼り方
テープをしっかりと貼り、刃との間隔が確認しやすい様に片側をカッターでカットします。反対側はのへりを返してしっかり抑えに貼り付ければ完成です。革が滑りやすくなり扱いやすくなりますが、高価なテープなので無駄の無い様に使用しましょう.


オイルの差し位置

写真の中の2枚は同じ位置の写真です。どこにオイルが入っているかわかる様に、フタを開けて解説してくれました。4枚目はビアダルの根元に差すので位置を示してくれています。定期的にオイルを差さないと部品が削れてしまい、ガタつきが生じる場合があるので気を付けましょう。

〜ミシンについて〜

ミシンの調整でとにかく重要なのは、「回転方向に対して(手前回転)、写真の様に針板と針穴がツライチ(同じ高さ)なっている時に、中押さえと、外押さえが平になっているのを基本とする事」でした。その上で、背面上部のネジを緩めて調整をする様にして下さいと繰り返し強調されていました。これを繰り返し行っているとそれぞれのミシンの特徴を自分で感じ取り、思う様な調整ができる様になるそうです。

みなさんが意外に感じられていたのは、ボビンの糸の張り具合が思っていたよりも強いとの事でした。下にボビンを垂らして落ちる様だと緩すぎるのでネジを締めて調整しましょう。

 

 

 

ミシンを横に倒す場合には、モーター部分にあるネジの上を緩めます。掃除んためやカマにオイルを差したりする時には必要です。

 

 

 

 

ミシンの糸調子が悪い場合の原因の一つにバネのゆるみがあるそうです。バネが緩いと糸締まりが悪いので、バネは指で押して少し痛いぐらいに調整が必要だそうです。写真のドライバーの先端部分は1cmぐらいが目安との事でした。

 

 

 

ミシンの場合、オイルはネジ穴以外の全ての穴に差すのが基本で、毎日使う方で週1回程度、時々の方で月1回程度が目安だそうです。忘れがちなのがカマの隙間部分、糸を巻き上げる側の穴との事ですので気をつけましょう。

他にも糸の通し方や段差のあるも場合の方法、その他の押さえの事などもお話しされていました。あとはミシンは触って覚えるのが大事なので、とにかく使って下さいとお話しされると、「今すぐ帰って家の自分のミシンの調整をしたい!」との声が上がっていました。

やはり普段さわらない部分や、どうして良いかわからない部分を目の前で解説しながらいじってもらうと、短い時間ながらみなさん納得されている様でした。今回ご参加出来なかった方から「またやって欲しい」とのリクエストもすでにいただいております。お話しの内容はまだまだありましたし、文字や写真だけでは伝わらないところも多いですので、興味のある方は次回是非ご参加下さい。

勉強会やワークショップはBagyardホームページ、Facebookにてお知らせしておりますのでよろしくお願い致します。以前行った『ミシン・革漉き機の基本構造とメンテナンス』のレポートを下にリンクしておきますのでご参考下さい。

2015年10月24日(土)第26回勉強会「ミシン・革漉き機の基本構造とメンテナンス」

2015年7月22日(水)第18回勉強会「ミシン・革漉き機の基本構造とメンテナンス」

 

 

 

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