12月3日(土)「スリム&シンプル名刺入れ」ワークショップレポート

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2016年12月3日(土)で小物入れとしても使える「スリム&シンプル名刺入れ」ワークショップが開催されました。

講師は、幅広いジャンルの作家として活動する高橋法子さん
小さな事にも丁寧に答えてくれる、明るく親しみやすい先生で、「上質な革で作るおしゃれなレザーアイテム」ワークショップがいつも大好評です。

1chach-700
今回は、キメが細かく肌触りの良い無地のカーフ(子牛革)と型押しの2種類の革を組み合わせ、スタイリッシュな名刺入れを手縫いで制作する企画でした。

参加者は男性2名、女性4名の合計6名。
前もって指定していただいたカラーを高橋先生が予め裁断し、見た目にも美しくセットしていただいた「名刺入れキット」をそれぞれが受け取り、カスタマイズ感たっぷりのワークショップがスタートです!
1kit700「名刺入れ」はビジネスシーンで使う事の多いアイテムということもあり、今回の人気色はブラックでした。

下の写真がキット内容。本体の革パーツ3枚に、高橋先生お手製のテルテル坊主のような道具を含めたコバ仕上げ用のセット、バネホック、ホックをくるむ革、ホックの裏打ち用丸革パーツ。
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始める前にひとつひとつ、先生が丁寧に内容を説明をして下さいました。
もう、この段階でわくわくしてきますよね♪

続いて、制作工程8段階を順番にご覧ください。

1:ホックの革くるみ3kawakutumi700まずは、後半でフラップに取り付けるホック頭(ホックのメスパーツ)を製作し乾かしておきます。
薄く漉いた革にボンドを塗って、ホックの頭をきれいにくるみます。その上からビニールをかぶせ、糸でキュッと絞って置いておくと、茶巾絞りの状態になって、開けた時にはすっかりきれいに革が巻かれているという方法です。とても面白い作り方ですよね!
2:ホック打ち
4hokku700次にポケットになるパーツにホックのオスパーツを打ちつけておきます。
金属を下に引いて、専用のホック打ち棒で打ち込みます。
3:パーツの接着
5arasi700ホックの準備が終わったら、本体の組み立てに入ります。
革は接着剤で張り合わせてから縫いますが、革の表面のつるつるしている方(銀面)には接着剤がのりません。そこで、革包丁やカッターで荒らすという作業をします。
他の場所を傷つけないように注意して、銀面の接着したい部分(端から5~6mmの幅)だけを荒らすと上の右の画像のようになります。 皆さん、細かく手を動かして真剣に作業されていました。
6norituke700荒らしが終わったら、仮留め用のゴム糊を塗ります。
ゴム糊は薄く、均一に、端まできっちり塗る必要がありますが、初めての方にはなかなか難しい作業ですが、出来栄えを左右する大切な工程です。
7hariawase700ゴム糊が乾いたら貼り合わせます。

ここで、「先生! どうしてポケットの革の方が大きいんですか?」というご質問が出ましたが、
それは、「革の縁をきれいな断面に仕上げるため。」との事。
次の段階がその作業でした。

4:裁ち揃え
8saidan700はみ出しているポケットを、本体の革の縁に合わせて裁ち揃えます。
これは、最初から同じサイズに裁断した物をぴったりに貼り合わせるのは至難の業ですが、こうして裁ち揃えれば、ぴったりの断面になるからなのです。
とは言うものの、きれいに裁断するのは思った以上に難しい作業。
皆さん「まっすぐ切るのがこんなに難しいとは・・・」と驚きながらも神経を集中し、奮闘していらっしゃいました。
5:縫い線の印つけ
9nezinen700裁ち揃えが終わったら、縫い線の印つけです。
印つけは、ねじ捻という道具を使います。先端の幅を3mmに合わせ、片方の先端を革の断面に沿わせ、もう片方を革の表面(銀面)にあてて引きながら線をつけます。
6:目打ち穴あけ
11anaake700印をつけた縫い線の上にそって、フォークのような菱目打ちで等間隔の針穴をあけます。
ここは、仕上がりを左右するポイントの作業。
先生が、まっすぐ真下にきれいな穴をあけるための姿勢や見る位置などを細かく注意します。
12anaake700-2強く叩きすぎると穴が大きくなりすぎてしまうので、そこにも注意が必要です。 貫通すれば良いので、裏の様子も見ながら慎重に進めます。
一度あけた穴はふさげないので、どなたも集中しての真剣作業でしたが、きれいな穴が並んでいくのはとても楽しそう。
早速、この菱目打ちが欲しくなってしまった方もいらっしゃいました。
7:手縫い
13ito700好みの色の糸と針を準備します。
使うのは革用の針2本とロウ引きした糸。
縫い糸の色によってイメージが変わるので、配色が楽しい時間です。
こんな時は参加者同士、選んだ色を見せ合ったり、意見を聞いたり出来るのもワークショップの魅力ですよね。
他の方の作品を見る事で、予想外の色やまさかの配色が素敵だという発見もあり、色の感性も磨かれたのではないでしょうか。
14nui700-2色が決まったら、一心不乱に針を動かして縫い合わせます。
縫い始めると、だんだんと無口になって集中モードに入っていかれるのが印象的でした。

縫い終わったら、革くるみが乾いたメスのホックも打ちつけて、仕上げに入ります。

 

8:コバ仕上げ
15yasuri700最後はコバ(革の切り口)の仕上げです。
まず、コバを紙やすりで滑らかにします。
16basuko700滑らかになったコバに塗料を塗ります。 今回使うのは、目止め液(画像右側)と、透明の塗料(画像左側)。
目止め液を塗って、半乾きのうちに塗料を塗ります。
17basuko700
全体に塗って乾いたら、もう一度やすりで荒らして塗料を二度塗りしました。
18koba700塗り終わると、このような艶のある仕上がりになります。
19last700 約3時間でオリジナルの名刺入れが完成しました!
参加者それぞれ、作られた作品はまさに十人十色。

こんなシンプルな名刺入れも、さまざまな工程があり、神経を使う作業も多くなかなか大変だったかと思いますが、どなたの作品も本当に素敵な仕上がりでした。

20last2700フラップを開けるとこんな配色です!

みなさん、口々に「あっという間の3時間だった~」「次回も楽しみ」と言っていただき、充実したワークショップとなりました。
革の手作りが初めての方もいらっしゃいましたが、これを機会に革の物作りにさらに親しんでいただけたらうれしく思います。

【高橋法子 プロフィール】
https://www.iichi.com/people/noriko_takahashi

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