10/2 第7回勉強会報告『革について中級編』

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2014年10月2日に、第7回勉強会『革について 中級編』が行われました。
講師には、創業から103年を数える老舗タンナー(株)山陽さんの、営業企画室長の塩田和也氏をお迎えし、参加者は、皮革製品に深くかかわる様々な分野から12名の参加をいただきました。

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今回の勉強会は革の仕上げにスポットを当てたものです。
プレゼン形式でわかりやすく講義をしていただきました。

まず、革になぜ仕上げが必要か?という点から講義が始まります。
革は天然の素材であり、それぞれの個体やなめし方によって様々な個性を持ちます。
革の仕上げはそれらの個性をコントロールし、物理強度を上げ、最終的に製品の見た目を良くするための重要な手順です。

革の仕上げは様々な手法があり、またそれらの分類も様々です。分類法だけで4種あげていただきました。

・革の表面の状態による分類
・革の仕上げに使用する着色剤による分類
・革の塗装液による分類
・革の仕上げに使用する機械による分類

この4種分類の詳細を順に解説していただきます。
言葉での解説だけでなく、それぞれの仕上げの革のサンプルを用意していただき、様々な仕上げの革を実際に見て触れることができました。

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・革の表面の状態による分類
銀付革—毛穴のある革
銀スリ革—ガラス、ヌバック
シュリンク革—本シュリンク
床面を使用する革—銀付ベロア、コードバン
床革—床ベロア、貼り合わせ革

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これらはそれぞれの革の名称としてもよく知られているものが多く、革の種類の定義の再確認にもなりました。
参加者からは、銀スリに使われるやすりの番手や、シュリンクに使う薬品について、ヌバックとベロアの詳細な違いについてなど、非常に興味深い質問が出ていました。

・革の仕上げに使用する着色剤による分類
アニリン仕上げ—染料
セミアリニン仕上げ—染料+塗料、透明顔料
顔料仕上げ—顔料
パール仕上げ—パール顔料
ここでは染料と顔料の違い、またそれぞれの溶剤の特徴やメリットやデメリット、よく使われる製品などのお話もありました。

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・革の塗装液による分類
この分類は、『水性仕上げ』と『溶剤仕上げ』の大きく2つに分かれます。
着色剤の種類による分類なので、水性と溶剤の両種があるものも含まれるからです。
そこからさらに、素上げ、ワックス仕上げ、オイル仕上げ、バインダー仕上げ、カゼイン仕上げ、ウレタン仕上げ、ラッカーTOP仕上げと細かく分かれていきます。
ほとんどの場合、いくつかの仕上げを組み合わせ、それぞれ個性を持つ革とお客様の要望次第で、最も適した手法を試行錯誤して選ぶことが多いそうです。
たとえば、カゼインは滑りが良くツヤが綺麗に出る仕上げ剤ですが、水に弱く色落ちなどもしやすくなるため、ウレタンを混合することで定着を強くする、等の具体的な例もあげていただきました。

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・革の仕上げに使用する機械による分類
スプレー仕上げ—素上げ、ワックス仕上げ、オイル仕上げ、バインダー仕上げ、カゼイン仕上げ、ウレタン仕上げ等
ロールコーター仕上げ—ワックス仕上げ、オイル仕上げ、ウレタン仕上げ、バインダー仕上げ
カーテンコーター仕上げ—オイル仕上げ、バインダー仕上げ、ウレタン仕上げ
この分類では代表的な上記3種のそれぞれの仕上げの違いやその理由を、実際に機械が動いている様子の動画なども見ながら解説していただきました。

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この他さらに、
ポリッシュ仕上げ、アイロン仕上げ、ミリング仕上げ、箔(フィルム)加工、グレージング仕上げ、型押し加工、モミ加工、インクジェット印刷加工、パンチング加工など、数々の加工の種類と実際の仕上がりを解説していただき、グレージングやミリング加工に関しては、動画なども見せていただくことができました。
ここでも機械の仕組みや所要時間、アイロン等の温度、各仕上げのコストなど詳細な質問が参加者から寄せられ、軽いディスカッションが行われるなどの一幕も。

(株)山陽さんの、103年という長い歴史の中で、積み上げてきたノウハウや技術の一部に触れることができ、さらに今後にも大きくつながる、有意義な時間となりました。

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