第25回勉強会 栃木レザー工場見学レポート

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2015年10月8日の第25回勉強会は、今なお伝統的な鞣し工程を続ける栃木レザーの工場見学です。
毎回告知後まもなく定員に達してしまうほどの人気です。

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秋空美しいこの日、上野を出発した一行は途中渋滞にあいながらも
栃木県栃木市城内町にある 工場へ向かいました。
参加者は遠く九州や福島などからも。 百貨店の方、革製品の修理職人、
オリジナルブランドを立ち上げてる方、学生、趣味で革バックを作っている方、
セレクトショップを運営されてる方、さらにはタンナーの同業者などなど
多岐に渡る業種の面々でした。

まずは山本社長に、栃木レザーでこだわっている100%天然タンニン鞣しについてのお話や、
革の需要の歴史などお話しを伺い 工場見学ツアースタートです。

まず最初に積みあがったヌメ革を触らせていただきました。
これを折ってみると分かりますが、ペシャっとならず跳ね返す弾力で、
革の「コシ感」がわかるのだそうです。
確かに少し折ってボヨンボヨン押してみても、跳ね返す力が強い感触です。

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腐らないよう塩漬けで輸入された原皮から、各工程を経て革へ、
そして染色、加工までの実に端からはじまでの工程を見せてくださいました。

油やピット槽の匂いなど、独特の香りが漂う工場内。
原皮の大きさ、ダイナミックに水を吐き出しながらまわる巨大なドラム、
それを扱う職人さんたちの手際などもう迫力満点です。

ドラムで塩づけされた原皮を水洗いするところから始まり、脱毛をする石灰槽、
タンニン剤を染み込ませるミモザを使ったピット槽など
各作業の説明を受けながら進んでいきます。

キーコキーコとタンニン剤のお風呂に皮が漬かりながら
規則正しくシーソーが揺れる音が心地よく
薄暗いピット槽群から聞こえてきます。
160ものピット槽を持つ栃木レザーですが、
見学している私たちは夢中になって落ちないように冷や冷や。
職人さんは慣れたもので槽と槽の間をひょいひょいっと歩いています。
しかしお話しによると、たまにサルも木から落ちるとか…。
1週間は匂いと色が抜けないそうですよ。

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タンニン槽から洗う工程まで見たところで、前半終了。
ランチタイムへ。
お昼ご飯はハンバーグランチ。食肉の副産物である革の勉強会にはもってこいのメニューです。
気さくな山本社長やスタッフの方々とテーブルを囲み、普段聞けない業界の話や参加者の
止まらぬ質問で話題は尽きません。

後半はだいぶ革っぽい姿になってきたものを伸ばしたり乾燥させたり漉いたりまた伸ばしたり、
柔らかくしたり、色つけたり・・・
この頃には「革製品を高いなんて言って申し訳ありません!」と
誰に謝るとでもないのですが、参加者の間で口ぐちから出ていました。
なんてたくさんの工程をへているのでしょうか!

発注内容によって革の厚さや伸びにくい革を手伸ばしするという作業を見せて頂きましたが、
体全体を使ってローラー状の機械と細かいところはヘラを使って革を均一な表面にする作業も圧巻でした。
長年使用しているヘラの持ち手の木はツヤツヤ。
作業が終わると竿にヒョイッとかけて干場に持って行くのですが、少し湿った革の重さは30kgはあるそうで、
それを1日4,50枚運ぶそうなんです!
あまりにすごいので、失礼承知でその強靭な腕を触らせてもらっちゃいました。

うーム、ソフトで上質そうな筋肉。

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さてほぼ最終的な工程の染色。オーダー通りの色を吹き付けていく作業です。
ここで初めて女性職人さんが作業されていました。
案内してくださった方によると、どうゆうわけか女性のほうが
色をオーダー通りに作る能力が高いそうです。
参加者の修理を専門に手掛けている方も、「確かに希望通りの色を作るのは女房ですね、
爪楊枝の先一滴の単位で色を足したりして作りますよ」とのことでした。
女性と男性は見える世界が、ちょっと違うのでしょうか?それとも感性?

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全員圧倒されっぱなしの中、工場見学は終わりました。
99%クローム鞣しがほとんどの現代、
さらにドラムでぐるぐると鞣してしまえば数時間のところを
毛を抜く作業だけで1週間、ピット槽で20日間。時間もかかり量産にも向かない
天然タンニン鞣しにこだわり続ける栃木レザーの革は
弾力性に富んだ他ではマネの出来ない上質な『革』となります。

参加者25名、全員キラキラとした目で今見てきたすごい工程に感動している様子の中、
山本社長他みなさんに手を振っていただきながら栃木レザーさんを後にしました。

今後街で「栃木レザー」と名前を見つければ、
ちょっと自慢気にうんちく語ってしまいたい気分です。
今回ご参加見送られた方も、また企画がありましたらぜひぜひお待ちしております。

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