第20回勉強会「バッグ&小物トレンドセミナー」レポート

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trend-12015年8月7日(金)、15時と18時の2回にわたり、
「バッグ&小物トレンドセミナー」が開催されました。
会場は、銀座にある日本皮革産業連合会(JLIA)革のショールーム「TIME & EFFORT」。暑い中たくさんの皆様にお集まりいただきありがとうございました。

 

 

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パネリストは、オンラインライターの鈴木清之さんとファッションライターの川崎智枝さん。
旧知の仲であるお二人の掛け合いによる講義は、テンポが良く、難しい専門用語や古き良き時代の情報なども補足していただきながら進めていただいたおかげで、どなたでも理解しやすく、1時間半があっという間に過ぎていきました。
お二人は、「BAG Number」というバッグや服飾雑貨に関するwebマガジンを昨年立ち上げ、マーケットから肌感覚で感じられる”今の情報”を噛み砕いて、頻繁にアップされていますので、ぜひ、そちらもご覧ください。

「BAG Number」バッグナンバー
http://bagnumber.tokyo/

【第1部】「雑誌から見る秋冬のトレンド傾向まとめ」
RO+COM 鈴木清之氏

モードからカジュアルまで、秋冬トレンド第一報を伝える国内のファッション誌から各誌の提案をまとめ、今シーズンのバッグ&小物傾向を発表していただきました。(レディス)
まずは、過去(バブル期~2000年代くらいまで)と、最近(2010年代)の傾向の変化から。

過去の価値観 最近の価値観
1) 靴、バッグなど色や素材を揃える → 色、素材を揃えない
2) テイストを合わせる → あえてテイストを外す。テイストをぶつける
3) モードがおしゃれ → シンプル&ふつう
4) キメキメなスタイル → 抜け感、こなれ感、ダサ感
5) 一点豪華主義 → スタイリングに合わせる
6) 差し色づかい → なじませカラー
7) 重厚感、高級感 → 軽量感、機能性
8) A4サイズ必須 → 小ぶり、小さめ。書類入れない
9) ほどほどサイズ → でかリュック、でかトート
10) 甘め、モテ系 → ユニセックス、ベーシック

この10数年の間にずいぶん変化したことがわかります。特にバッグに対しての女性の意識は、真逆になっている項目もあり、興味深い内容でした。

次に、雑誌ごと「ELLE JAPON」「ViVi」「Oggi」「MORE」「GLOW」「GINZA」の秋特集をピックアップし、写真をもとに説明していただきました。

◆レディースの4つの気になるキーワード
「ファー」「ムートン」「フリンジ」「カラフルグラフィック」

◆今秋冬のファッションのキーワード
「ポンチョ」、「ゆる×かっちり」、「ワントーンコーディネイト」、「なじませカラー」

◆バッグにおいての注目テーマ
70年代調の「ハーフムーンショルダー」、「あえて黒のバッグ特集」など

また最近ではSNSでの発信が欠かせないものになっていますので、その切り口として「ビッグバッグに生活雑貨を入れてリアル感を見せる」とか、「いろいろな二個持ちの提案」など、オンラインライターの鈴木さんならではのユニークな切り口も紹介されました。

*詳細は以下のPDFにてご覧ください。
【第1部】PRO+COM 鈴木清之氏
「雑誌から見る秋冬のトレンド傾向まとめ」
(PDF:2.67MB)

【第2部】「上半期ベスト10から予測する、秋冬バッグマーケット傾向」
CHIENOWAコミュニケーション 川崎 智枝氏

川崎智枝氏が独自の視点で分析したバッグ&小物に特化した「2015年上半期ベスト10」をラインナップ、そして今年秋冬のバッグ傾向を予測していただきました。
豊富なタウンウォッチングのデータを通じ、マーケットで今期注目されると思われるフォルムや素材、スタイリングなどを予測。

2015年春夏上半期ランキング コメント
1位:リュック 女性が大きなリュックを持つ。
2way, 3wayで使える機能性が高いものが定番化
2位:巾着フォルム ロングスパンで浸透中。70年代のレトロ感に不可欠。バケツ型にも注目
3位:ミニブガッティ、ミニボストン 肩にかけず、あえて手持ちする。今後もっと小さくなるかも。
4位:White & Black 真っ白または真っ黒。白で軽量感を演出
5位:きゃしゃトート、リバーシブルトート(メンズ) 男性がレディス寄りのフェミニンなトートを持つ。様々なシーンで活躍
6位:デニムアレンジ 70年代の流れ。ベーシックカラーとして取り入れやすい
7位:PVC、ナイロン素材 様々なバリエーション拡大中。加工や付属革にこだわりがあるもが多い
8位:ロゴ入りトート 白・生成りのロゴ入り。抜け感・こなれ感の演出。Adidasのトレフォイルなど、レトロロゴが逆に若い人に新鮮
9位:ナップサック 70年代風。口元を絞るシルエットが巾着とシンクロ。今後はボンサックに期待
10位:メンズでかクラッチ on, offどちらにも使える。秋冬にも更に期待できる

実際の写真はこちら。売れ筋の写真と、タウンウォッチングで観測した人物スナップです。

1位 リュックbag-1

2位 巾着フォルムbag-2

3位 ミニブガッティ、ミニボストン

4位 ホワイト&ブラック

5位 きゃしゃトート、リバーシブルトート

6位 デニムアレンジ

7位 PVC、ナイロン素材

8位 ロゴ入りトート

9位 ナップサック

10位 メンズでかクラッチ

【秋冬のバッグキーワード】

2015年秋冬に多く登場すると思われるバッグ、ファッションアイテムのキーワードをラインナップ。
※写真は2015春夏のストリートスナップより。

≪レディス傾向≫

bag-key-1◆ボヘミアン(左)
70年代のレトロ感は不可欠なテイストに。ポンチョやボレロなどゆったりしたアウターに、かぶせつきやフリンジつきのロングョルダーを持つスタイル。大きいつば付きの帽子もアクセントとして注目

◆「ゆる×カチ」バランスにも注目!(右)
ふわっとした服にかっちりしたバッグを合わせるのがトレンドになりつつある。ふわっとした服は、コートとカーディガンを掛け合わせたような「コーディガン」が登場する。

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◆アクセサリー感覚のバッグが登場(左)
バッグは1) 大型化、2) 小型化のどちらかに分類される。小型化する例は、ミニブガッティやミニボストンだが、これからどんどん小さくなり、アクセサリー感覚で身に着ける人が増えていく。携帯と電子マネーがあれば事足りる時代性や、A4ファイルを持ち歩かなくなったことも背景にあるのでは。

◆カーキ・スタイリング(右)
ベースカラーを、カーキ、グレー、黒などでまとめるコーディネイトが重要になるシーズン。全身をカーキにし、ポイントとしてダークオレンジ、ダークレッドのバッグでアクセントにするのが今年らしい。

≪メンズ傾向≫

◆サコッシュ
もともとは自転車に乗る人などが、携帯食などを入れておくための簡易的なバッグとして浸透したものが、ストリートに広がった。「ポーター」でも提案があったことでメンズブランドにも拡大。マチがそれほど大きくなく小ぶりがポイント。男性も身軽さへとシフトしている兆しか。ポストボディバッグとして期待される。

≪ユニセックス傾向≫

◆ホーボーバッグ(左)
芯のないくったりしたバッグのこと。70年代調の流れもあり、男女ともにこのアイテムが拡大している。靴や帽子などでカッチリ感を出しつつ、バッグで抜け感を表現するバランスが重要。

◆メッセンジャーバッグ(右)
久しぶりにメッセンジャーバッグのフォルムが登場。スポーティなかぶせタイプということもあってか、男女ともに“小さ目”なサイズ感が人気に。

【2015秋冬シーズン傾向のまとめ】

1) 抜け感、こなれ感
がんばらない感じ、重たく見えない感じにするのがポイント

2) 70年代のアイテム、バランス感
軽い、小さい、なつかしい

3) 男前な女子、女々しい男子
大きいバッグを背負う女子と、フェミニンバッグを持つ男子

4) なじませカラー、グラデーション
悪目立ちするバッグはNG。差し色はグラデ感覚で

5) 小ぶり、小さめサイズ
“身軽”がおしゃれ。荷物は少な目、コンパクト

ポイントとしては、バッグのみを集中して見るのではなく、コーディネイト全体のスタイルやバランス感、時代性なども反映した傾向とさせて頂きました。次シーズンへの細かなディテール傾向などは、また別の機会にお伝えできればと思います。
ありがとうございました。

*上記の内容&詳細は以下のPDFにてもご覧いただけます。

【第2部】CHIENOWAコミュニケーション 川崎 智枝
「上半期ベスト10から予測する、秋冬バッグマーケット傾向」
(PDF:5.30MB)

 

◯鈴木清之さん
「装苑別冊」(文化出版局/現在は休刊)で編集・記者として活動後、フリーランスに。
現在は、オンラインライターとして(一社)日本皮革産業連合会HP公式ブログ、
銀座革のショールームTIME & EFFORT、「Japan Leather Award」SNS、
「つくり手ブログ」(スタイルストア/旧オールアバウト スタイルストア)、
「装苑オンライン」ブログで情報発信中。

◯川崎智枝さん
靴バッグ業界向け経営コンサルティング会社にて、23年間、MDアドバイス
や店舗の活性化、店長セミナー等を実施。2014年4月よりフリーランスに。
「フットウエア・プレス」「インテリア・ビジネスニュース」に毎月執筆中。
生涯学習開発財団 認定コーチ、日本ファシリテーション協会会員。
著書「靴・バッグ 知識と売り場作り」(繊研新聞社)など。
Bag Number編集長。

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