3/10 第16回勉強会報告『川村通商の鍛冶さんにお話を聞く会』

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3/10に(有)ケイ・トラストさんにて第16回勉強会『川村通商の鍛冶さんにお話を聞く会』が開催されました。

鍛冶さんは鞣製学(じゅうせいがく)の学位取得者であり、現在川村通商にて皮革物資事業部長をつとめられ、皮革産業の歴史や商社ならではの原皮の世界事情や流通についての幅広い知識をお持ちなので、様々なお話を聞くことができました。

鍛冶さんが学位を取得された鞣製学とは、畜産分野における皮革鞣しの専門学科であり、その内容はなめし剤などの化学薬品等の知識が大部分を占めるそうです。
そこから皮革の歴史や、なめし剤の種類、さらにはそれらにかけられる関税の話など興味深いお話がたくさん聞けました。
これらの知識は、総合的にまとめられた書籍などが実は非常に少なく、知らない人も多いでしょう。

namesi-03a参考リンク:皮革産業の歴史(日本皮革技術協会)
http://www.hikaku-kyo.org/htdoc/hikakunochisiki-04.htm

さらに、夏に原皮の相場が上がるのはなぜか、国内原皮生産の現状、また国内生産が非常に盛んなはずの豚革がなぜそれほど流通しないのか、などお話は多岐にわたりました。
豚革の国内生産が、豚肉の国内生産量と釣り合わない要因の一つは、畜産業の技術革新により、豚肉を生産する際の皮のはぎ方が変わってきたことなどを教えていただきました。
皮革産業は、農・畜産業と密接に隣り合う産業ですが、この二つの産業の交流はほとんど行われていないのが現状だそうです。

また商社ならではの経験からの、海外事情や流通に関する貴重なお話も聞くことができました。なめし剤の種類や、それらの輸入にかかる関税がほぼ無税であることに関連し、日本の同和政策の影響などのお話も出ました。
イタリアやドイツなど、皮革産業が盛んな国と日本との違いなども、実際に見てきた方のお話なので非常に興味深いものでした。

今回の勉強会では、特にテーマを絞らずにお話をしていただきましたが、そのおかげか参加者からは「国内で鹿革の生産は可能なのか?」「なぜそもそも半裁(牛の背中で二つに裁つ)にするのか?」「エコレザーについて」といった、日頃気になっていても誰に聞けばわからなかったような質問がたくさん寄せられる、大変貴重な機会となりました。

その産業の歴史や構造は、すぐに役立つわけではありませんが次代に伝えるべき大切な知識です。今回はそれを改めて感じた勉強会になりました。

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