5/30 第17回勉強会『金具工場を見学してみよう!』

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2015年5月30日に、第17回勉強会『金具工場を見学してみよう!』が行われました。
今回は金具のメッキ加工を専門とする「斉藤鍍金工場」さんを見学させていただきました。

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斉藤鍍金工場
http://saito-mekki.com/index.html

斉藤鍍金工場さんは昭和29年創業、鞄や靴金具のメッキからはじまり、親子三代に渡りメッキ業を営む老舗のメッキ工場です。現在では仏具や建築金物など幅広い分野で金属メッキを中心にお仕事をされています。

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工場は江戸川区平井にあり、前の道から大型の全自動メッキ機械が見えます。
細く深いメッキ槽がいくつも並び、そこを自動で金具が浸されまた引き上げられていく様子は、初めて見る参加者にはとても印象深かったようです。

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工場の中にお邪魔し、メッキの種類や手順などの基本的な解説を聞きながら実際に作業をしている様子を見せて頂きました。
◎金メッキはニッケルメッキをつけてから本物の金を溶解してメッキしていく。
◎真鍮色や黒色のメッキは、始めに銅メッキをつける。
◎一概にメッキと言っても、手付け/吊り下げ/ガラなど手法が違う。

など、幾通りもある手法、工程の一部について、それぞれのコストや仕上がりの違い、またそれらの理由など、過去に斉藤鍍金工場さんが手がけた仕事などから例をあげて教えていただきました。
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次はメッキをかける途中や最後にかけるバレル磨きの工程です。
小さいドラムに、金具と一緒に磨くための「小石」を入れ、回転させて磨きます。この石の種類も大きさや、表面のつるつるしたものなど、用途によって様々な種類があります。
この磨き工程も用途、目的によって非常に沢山の種類があります。
中には、金具の一部に刻印を入れるため、その一部だけを磨くといった細かい注文などもあったとか。
そのような注文にも答える確かな技術と探究心には参加者から驚きの声も上がりました。

どのようなメッキ仕上げの場合でも、まずは金具を薬剤で洗浄し、油分などを落とす洗浄下処理がとても重要な工程だそうです。あまりにも細かくたくさんの工程があるのを目の当たりにして、メッキに対してのクレームがしにくくなったとの声があがっていました。。。頭が下がります。
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工場の二階では、磨き工程と、最後のクリア塗装、仕上げ作業などが行われています。
塗装は、安価な吹付だけのものはクオリティーも今一で、ひとつひとつ重ならないように吊り下げ、クリア樹脂を吹付け、オーブンのような箱にいれ焼付けしたものは、見た目も耐久性にも優れているとのことです。
磨き場ではベテランの職人さんが真鍮のバックルを木棒に刺して研磨作業をされていました。回転する布製のバフに磨き粉をつけて均一に磨いていく様は、ほれぼれとするほどの熟練の技でした。

従業員の皆さんも仕事をしながら参加者にさらに詳細な解説などをして下さるなどとても暖かくむかえて頂き、ありがとうございました。
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ひと通りの作業工程を見学した後、工場長からメッキの基本や質感の違いなどをサンプルを見ながら改めて解説していただきました。詳細なメッキの見本帳や誰でも理解できるような資料なども独自に製作されており、仕事に対する情熱と誇りが感じられました。
メッキと一口に言っても本当に様々な種類があり、特に斉藤鍍金工場さんは新しい分野や今までやったことのないことに積極的に挑戦していく気風をお持ちの工場で、とても面白いお話が沢山聞けました。
今回の見学会のように、工場見学などの取り組みも沢山行っており、地域の中高生などが見学に来ることもあるそうです。

 

その後は予定していた白畑金属製作所さんが都合により工場見学が見送りになってしまいましたので、金具メーカー問屋の鎌田鞄材(株)さんへ移動し、バッグ・小物用金具の基礎知識の勉強会を行いました。
鎌田鞄材さんは大正14年創業、今年90周年を迎える老舗の鞄用の金具をメインに扱う問屋さんです。金具の種類だけでなく、その製法や需要の変化、また海外メーカーの事情など、大変面白いお話が聞けました。

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鞄用の金具でとっても興味深かった製法は、鋳物(いもの)と挽物(ひきもの)です。そして鋳物はサンドキャスト・ダイキャストなどに分かれます。

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サンドキャストとは日本で昭和20年頃に考案された製法で、文字通り砂によって型を作り、そこに金属を流しこんで作ります。その原型は木材などで作られますが、なんと仏具屋さんなどが手がけることが多いとか。
ダイキャストはサンドキャストの後発技術で、金型を使い、高圧力をかけて作るものです。
これらの製法それぞれのメリットやコスト、またどのような用途が向くのか、など実際に製品を見ながらお話していただきました。

下の写真が挽物と呼ばれる手法で作られた錠前です。
挽物とは、刃物で金属を「切り削る」技法です。この製法で作られたものはシャープなフォルムと重厚感が特徴です。また、IT化が進んだといっても手作業が多い技法のため高額になります。

海外の老舗メーカーのプレス製法で作られた金具などと比較しながら、メリットやデメリット、コスト、特徴など老舗の問屋さんならではのお話が聞けて勉強になりました!
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今回は、今もまさに様々に変化し続ける市場の要望などに意欲的に取り組む老舗の工場・メーカー問屋さんの現場に直接ふれることのでき、参加メンバーにとっても有意義な回になったと思います。

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