渡邉鞄さんをご紹介


渡邉鞄さんは、東京の下町千住にて、着物にも洋服にも似合うオリジナルバッグを作る工房です。
着物でも洋服でも似合う、きちんとしたバッグ。をコンセプトに、革と生地を組み合わせたオリジナルバッグが多数ラインナップされています。

12/23-29に銀座奥野ビル607Salon de Laさんにて出店された期間限定ショップにて色々お話を伺ってきました。141224-01

渡邉鞄さんはブランドタグにもあるように、現在のご主人、渡邉憲一さんは二代目でいらっしゃいます。先代であるお父様は、注文を受けて請負生産をするいわゆる昔ながらの職人だったそうです。つくることが好きだった渡邉さんはごく自然に職人の道に入り、様々な素材や仕事を通して腕を上げていきました。

渡邉さんが、オリジナルのバッグを作ろうと考えたのは、二代目となってからバブルが弾けて仕事が全くなくなってしまった時のこと。困った渡邉さんは、材料もデザインもメーカーさんから受注し、自分は作るだけであったことに強い危機感と疑問を持ち、オリジナル商品の制作を始めたそうです。

141224-02アウトドアが好きだったことから、十徳ナイフにあやかって、機能を沢山盛り込んだ、丈夫な十徳バッグを作りました。しかしただ機能的であるというだけでは足りないと考えた渡邉さんは、デザインのアイディアとして、着物や帯などの和布を取り入れることにしました。
お祖母様の形見であった帯を使い、着物でも洋服でも持てるきちんとしたバッグを、と考え、それが現在の渡邉鞄さんのラインナップの元になっています。現在は、渡邉さんのお嬢様とのディスカッションからデザインなどをつくっているそうです。

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渡邉さん自身が東京の下町千住に生まれ育ち、伝統柄や江戸小紋などには元から親しみの深かったこともあり、渡邉鞄さんのラインナップはとても統一感とオリジナリティを感じさせます。
しかしこれは意外にも、渡邉さん自身は「ターゲットは特に絞らない」とのことでした。
洋装にも和装にも、という一点で、あとは男性でも女性でも、年齢も10代から60代まで持てるバッグ、であり、実際のお客様の年齢層も様々だそうです。

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和風テイストは近年の流行でもあり存在感を増していますが「モードの世界は一人では追い切れないし、同じ土俵にいても仕方ない。それよりは自分の身についた『和風』で誰もやってないことをやりたい」と渡邉さんは言います。
このような、地に足の着いた和のテイストとそのこだわりは、材料からデザインに至るまで渡邉鞄さんの商品のあちこちに見ることができます。

たとえば、特徴的な鬼ツイルの生地は渡邉鞄さんの定番生地ですが、ある時、それまで使っていた鬼ツイルの定番色が廃番となり、かわりにと出されたのが、蛍光色に近いビビッドオレンジでした。
非常に鮮やかな色で、渡邉さんはこれでは落ち着いた和風には馴染みにくいのではと頭を抱えたそうです。
しかし試行錯誤の末、伝統的な和風アイテムである真田紐をデザインのポイントに取り入れ、今までのラインナップと違和感なく、かつ新鮮味のある商品が完成しています。

141224-05他にも、持ち手の幅を細かく変えてみたり、キルティングステッチに伝統柄を取り入れるなど、職人ならではの細かな工夫がたくさん見られます。また、国産の鹿革を使ったバッグの試作にも取り組んでおられます。
これは渡邉鞄さんの、和装にも洋装にもという基本コンセプトは外さずに機能や技術で常に新しいものを、という姿勢の現れだと思います。

昔ながらの、高品質な職人の仕事と、今のデザインと機能。この2つを両立し、確実にファンを増やしている渡邉鞄さんの視線はこの先を見ています。

141224-06つくることは腕を磨けば出来る、でも作ったものを売ることが難しい。若い人には、つくることで十分に食べていける環境を残したい、自分で作れて、自分で売れる職人のあり方を模索しつつ見せていくのが、これからの自分がやるべきことかなあ、と語ってくださいました。

 

御嬢さんが制作した素敵なwebsiteを是非ご覧ください。
http://watanabebags.jp/

また、お弟子さん達と作り上げた小さいながらも粋な工房で、カスタムオーダーも受け付けています。お手持ちのお気に入りの素材を用いたバッグも制作していただけるそうです。

 

下町風情が残る『北千住』から徒歩8分程。事前にお電話した上でお伺いください。

渡辺鞄
東京都足立区千住4丁目12-3
03-3888-3650